tyaba2書評

読書履歴としてのブログ

『獣の奏者Ⅰ,Ⅱ』上橋菜穂子

私が高校生だったころNHKでアニメ化もされたこの作品。

 

著者、上橋菜穂子は最初に物語の主人公エリンが琴を弾き、その音色により王獣と呼ばれる鳥を手懐かせるという発想からストーリーを書き上げたそうだ。

 

物語は闘蛇(トウダ)(硬い鱗をもつ大型のトカゲのイメージ)を飼育する母との別れからスタートする。

村での禁忌を犯し死罪となった母を助けるべく当時まだ幼かった主人公エリンは駆けつけるが思いもむなしく死罪は決行、エリンも母と同じく殺されそうになるが何とか逃げることができた。

それから蜂飼のジョウンと出会い、生活していく中でたくましく、賢く育つエリン。

ある時、森の中で見た野生の王獣に出会い、その美しく強い姿に魅了される。

 

月日が経ち、エリンは王獣を飼育するカザルム王獣保護場に進学し、野生の王獣との出会いで得た知識や着想を基に立派な飼育員へと成長していく。

 

全4巻、番外1巻からなるこの作品はEテレでアニメ化されたということで子供向けだと当時の私は思っていたが、

原作を読んでみると、国同士の対立や、政略結婚の陰謀、一種の宗教的な側面、作り上げられた細かな設定がみられる作品になっている。

 

タイトルで獣の奏者ⅠⅡとしたのはそこまでしか読んでないからだ。

一連のストーリーは2巻で綺麗に終わる。3巻からはアナザーストーリーみたいなものだ。上橋もあとがきでそのようなことを言っていた。

3巻からは積読としてストックしておこうと思う。

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